デザイナーズマンションの原点はここにあり。
前衛的なアイディア、挑戦的な間取り。
感性を刺激する元祖デザイナーズマンションをご紹介。
今はなき晴海高層アパート。
1997年に解体されました。
公団として初の高層住宅に、前川國男事務所のアイデアが盛り込まれている。
3階ごとにしか止まらないエレベーター。
上下の階には専用階段でアクセスするという仕組みになっている。
外部廊下が無いおかげで、両面採光が可能になっている。
部屋は板の間と畳のスペースに二分されていて、長ーい板の間は、台所と食事室。
コンクリートブロックも、配管もむき出し。
通常の寸法と違う長細い畳のせいもあって、日本家屋の寸法感覚とは離れている。
広いバルコニーには、玄関から土足のまま行ける。
生活の一部としてどう使いこなすか、想像をかき立てる。
そう、晴海高層アパートは、万人向けに作り込まれてはいない
(設計者の意図がどこにあったかは別として、結果的に)。
いつまでもなじまない部分が、住み方を触発する。
「便利」という柔らかな制約ではなくて、未完の可能性が感じられる。
公団の2DKよりも、いま建築家が求められるものに近い。
晴海高層アパートは「デザイナーズ・マンション」の先がけである。